【通常国会閉会】専制深める安倍政権 民主主義の根幹を破壊 市民の課題は何か?

居直りと誤魔化しに終始した政府 機能不全の議会 

Pocket

「梅田解放区」に集った人々から

 昨年6月25日号で、本紙は「戦後最悪の国会が閉会した」と書いた。だが、与党が森友・加計学園問題などに説明も責任も果たさず、内閣不信任案をあっさり否決してカジノ法案を通して終わった今国会は、昨年を上回る最悪の専制国会だったと言えるだろう。誤魔化し・開き直り・強行採決が通常となり、倫理の崩壊と無力感は、日本社会全体を覆っている。

 だが、南北朝鮮の平和会談など、世界は動いている。問題の根源、市民の課題や希望はどこにあるか、国会最終週に大阪・梅田のHEP5前で、カジノ採決や水害の最中の宴会に対して安倍政権の総辞職を求めた人々に、意見をお聞きした。  (文責・編集部)

嘘がまかり通る社会風潮若者たちに期待したい 田中直子(森友学園問題を考える会)

 7月23日の朝日新聞朝刊に、国会閉会を受けて「冷笑主義、社会覆う? モリカケ疑惑 白ける有権者」という記事が載っていた。

 「安倍首相や麻生副首相のように、嘘に合わせて現実を破壊することが横行すると、政治の土台が覆され、市民は冷笑主義に陥っていく。追求する野党に『他に議論すべきことがある』と冷ややかな声も聞かれた。流れに対して立ち止まったり、抵抗したりすることを否定し、自分が『野党』的な存在にならないように慎重に振る舞うことが、世代を問わず広がっている」というものだ。

 たしかに、「森友学園問題を考える会」のビラ撒きをしている時など、そういう雰囲気を感じることがある。ビラに見向きもせずに通り過ぎて行く人たちは、私たちが嘘をついていると思っているわけではなく、嘘をついているのは安倍首相とわかっているにもかかわらず、「そんなことしても無駄。どうにもならへんよ」と心の中で言っているような気がするのだ。

 一方で私は、HEP前を通る中・高校生たちから、冷笑主義を感じたことは一度もない。彼らは知らないことが多いし、関心の範囲も狭いけど、政府を批判する私たちを冷笑したりはしない。そこに私は希望を感じ、「おかしいことはおかしいと言う大人になろうよ」と、もっと上手に彼らに語りかけられるようになりたいと願っている。

安倍独裁政権に東アジアの平和は作れない! 長崎由美子(朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪 事務局長)

 南北首脳会談、朝米首脳会談が開催され、朝鮮半島と東アジアの情勢は平和にむけて大きく変わろうとしている。しかしこの流れに逆行し、取り残されているのが安倍政権である。

 朝鮮民主主義人民共和国に対しての敵視政策は、日朝の対話による国交正常化を阻んできた。安倍政権の「美しい日本を取り戻す」とは、過去の植民地支配と侵略戦争の歴史を消しさることである。朝鮮学校への高校無償化排除、自治体の補助金停止は、過去の歴史を消し去る暴挙である。

 私たちはこの安倍政権独裁に、市民の力で朝鮮半島、そして東アジアの平和を創るために、「東アジアに平和を!7・27キャンドル行動」を靭公園で開催する。ぜひ多くの方に参加をお願いする。

デモや集会が心に響くようもっと創意工夫を  W(30代)

 今年5月の大飯原発反対行動から参加した。デモや集会に参加する市民の声は、届くべき相手に届いているのだろうか。時間、お金、労力に見合う成果は出ているか。動くこと自体が目的化した内輪の自己満足に陥ってはいないか。

 そう思っていた中で、これら問いへの私の答えが「梅田解放区」への参加である。梅田HEP前の一般市民の交通量は国会前を優に超え、広く大衆に訴えられる日本有数の現場である。テーマは幅広く、森友加計、原発再稼働、種子法、残業代ゼロ法案、辺野古基地建設、水道民営化、TPP、カジノ等、この国の今を取り上げており、伝え方を工夫すれば市民の反応は面白いように変わる。

 進化を重ねる表現と、未完成ゆえの魅力と緊張感。ラップ、ギター、リズムマシン…メンバーの才能の開花を目の当たりにし、飛び入り参加を交えるその毎瞬が即興芸術。閉塞感と同調圧力に風穴を開けるこの姿こそが、社会を覆う無力感へのアンチテーゼだ。スキル経験一切不問。梅田解放区はあなたの参加を待っています。

仲間は世界中に  園良太(本紙編集部)

 梅田解放区は6月から毎週末、国会閉会直前はほぼ毎日集会が行われた。「大災害を無視して死刑を祝う大宴会 私たちは絶対忘れない!」の横断幕は好反応だった。政権の人命軽視を感じている人は多い。本紙の海外論文を読むと、専制政治は世界的傾向であり、世界中の民衆が少数でも厳しい弾圧を受けても闘っていることがわかる。私たちもまだまだできることは多い。次は8月5日、19日の17時半から。多くの参加をお願いする。

Pocket

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。